top of page

​ごあいさつ

 第二次世界大戦の最中、リトアニアの臨時首都カウナスの日本領事館で領事代理を務めていた杉原千畝氏は、

ナチスドイツ、ソ連の迫害で住むところを追われた避難民に日本通過ビザを発給し、数千人の人命を救いました。

 戦後間もなく、日本の外務省を去った千畝氏は、「人として当たり前のことをしたまでのこと」として、ビザ発給に

ついて多くを語ることはありませんでした。しかし20年の時を経て彼に救われた元ユダヤ難民達が千畝氏の所在を

ようやく突き止め、その後イスラエルを始め、数多くの国や機関から、その人道主義的行為に対して顕彰されました。

 一方、日本国内で杉原千畝の名前が一般的に知られ始めたのは、戦後半世紀も過ぎた西暦2000年前後の頃でしたが、

それに伴い、杉原千畝の事績に関する誤った情報や理解も広まってしまいました。

 杉原千畝氏の四男である杉原伸生氏は、こうした現状を憂い、それを正すべく「忠実に基づき、千畝の功績をありのまま伝えたい」とする意向を表明し、私どもはこれについて賛同し、この度「一般財団法人 杉原千畝記念財団」を設立する運びとなりました。

​この財団は、杉原千畝の偉業を正しく伝え、彼が実践した人道主義の発現により、社会の平和と安寧を推進することを設立の首位とするものであります。

2018年10月1日

設立者 松本 洋

 最近、父である杉原千畝が広く皆様に知られるようになり、またその行動に対して理解される方が増えていることに息子として大変うれしく思っています。しかし、一方では展示を始めとして、出版される本や映画、舞台などで

誤った表示や事実とは違うことを目にすることも多く、父と暮らし、側で見て来た息子として大変心配をしています。

 特に父の生誕地が違っていたり、書きもしない物を手記として紹介されたりと天国の父も困惑しているのではないでしょうか。

さらに父の名前を利用してお金儲けなどの私利私欲に走り、さらには父のことを見てきたように語る方も多く、

憤りを禁じ得ません。

​ この度、松本洋様を始め、知識人や研究者などの皆様のご努力で「一般財団法人 杉原千畝記念財団」が設立され

ました。この財団は、調査研究を通して父の事績を正しく伝え、父が実践した人道主義を広く顕彰をすることなどを

活動の目的にしています。

 私は、これまで捏造された父の忠実や真実ではない父の姿などを父の名誉のためにも正し、本当の杉原千畝を

知っていただきたく、微力ではありますが、財団の皆様と共に力を合わせて活動していきたいと思います。

 最後に皆様にはどうかこの財団の活動にご理解とご協力をお願いしたいと思います。

2018年10月1日

​名誉顧問 杉原伸生

和紙2_3x.png
bottom of page